紫外線殺菌庫 オゾン殺菌庫 消毒保管庫

紫外線とは

紫外線とは、波長10~400nmの電磁波のこと。一般的に紫外線は日焼けの大敵としての言葉の方がなじみがあります。
初夏の頃から天気予報では、太陽から到達する紫外線の量から日焼けの注意を呼びかけます。
但し、これは紫外線の中のひとつの性質に過ぎません。
電磁波は、波長により様々な性質をもっており、 下図のように分類されています。人間の目に見える光も電磁波のひとつです。紫外線とは、目にみえる光のうち最も波長の短い紫色の光よりもさらに波長が短く、x線よりも波長の長い電磁波のことです。
さて、ひとくちに紫外線といっても、その波長により性質や働きが違っています。殺菌効果は波長250~260nm付近が強く、その中で最も効果が高いのが253.7nmで、この波長は「殺菌線」と言われています。殺菌庫内部に設置された殺菌灯はこの253.7nm殺菌線を最も強く放出するようになっています。

※1nm(ナノメートル)は1mmの100万分の1です(10-9m)。例えば、1nmが1mmの長さだとすると1mmは1㎞に相当します。

電磁波のスペクトル

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紫外線が菌に作用するメカニズム

紫外線はウイルスや殺菌のDNA情報(核酸)に直接損傷を与えます。細胞内の核酸に紫外線が照射されると、核酸が化学変化を起こし新陳代謝が障害され増殖能力を失います。更に照射量が多くなると、原形質が破壊され死滅します。

殺菌ランプの試験

殺菌ランプによる殺菌の実例をご紹介します。1000時間使用後の15W殺菌ランプを使用し、50cmの距離から、寒天培地上の菌を照射する試験を行いました。試験の結果、大腸菌の場合、15秒後には97.5%が死滅し、60秒後には残菌ゼロとなりました。1分を要さずに99.9%以上の大腸菌が死滅したことになります。①はこの条件における様々な菌に対する殺菌効果試験の結果です。殺菌庫に設置された殺菌ランプはこの試験の様に収納物に対して直行光を当てられない箇所があります。しかし、庫内を乱反射させる事により隅々までその効果をもたらす設計になっています。反射をすると紫外線の強度は落ちますが、時間を掛ける事で同じ効果を得ることができます。実際に殺菌庫にて殺菌効果試験をしたのが②となります。光が届き難い箇所であっても、3時間後には菌の生存は確認されませんでした。

① 殺菌ランプの殺菌効果

(温度20℃、湿度35%)

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菌の強弱菌の種類99.9%殺菌するのに
必要な殺菌線量
(μw.分/cm²)
15W殺菌ランプ50cmから
99.9%殺菌するのに
必要な照射時間
きわめて弱い菌大腸菌90約1分
赤痢菌71約50秒
チフス菌74約50秒
弱い菌ブドウ球菌151約1.5分
結核菌250約2.5分
枯草菌250約2.5分
日本酒酵母326約3.2分
強い菌ビール酵母314約3.1分
ウィリアム属酵母630約6.3分
オリーブかび1,470約15分
きわめて強い菌果物黒かび3,700約40分
穀物かび2,000約20分

注意

実際の殺菌庫内部では、様々な要因により殺菌効果は減少しています。
しかし照射時間を増やす事で同じ効果を得ることができます。

② 包丁まな板殺菌庫 殺菌効果試験

1.試験室内温湿度
室温24℃・湿度45%

2.試験機種
包丁まな板殺菌庫 114型

3.試験条件

〈庫  内〉

拭き掃除をし、清潔に保たれている状態。包丁、まな板は全て収納されている状態

〈収 納 物〉

使用後、水洗いをし表面が乾燥した状態

〈設置場所〉

収納物が床より25cm以上

4.試験方法
標準綿白布(50×50mm)に大腸菌(O-157)の菌液を滴下し、収納物を試験片とし、包丁及びまな板の測定箇所に貼付け庫内に設置した。殺菌作動3時間後に、試験片の生残菌を洗い出し、洗い出し液生菌数を測定した。又、対照として庫内に入れず室内に保存した試験片の菌数を測定した。

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試験菌試験片貼付場所生菌数(試験片当たり)
開始時開始時
大腸菌
(O-157)
包丁 柄中央4.7×106<10
包丁 刃先先端4.7×106<10
まな板 上面中央4.7×106<10
まな板 前面中央4.7×106<10
まな板 側面中央4.7×106<10
まな板 下面中央4.7×106<10
まな板 後面中央4.7×106<10
対照(庫外の試験片)4.7×1061.2×106

<10は検出せず

菌の測定箇所

〈(一財)日本食品分析センターにて試験〉

紫外線殺菌庫 製品情報