紫外線殺菌庫 オゾン殺菌庫 消毒保管庫

オゾンガスの発生方法

Eシリーズはエキシマランプによるオゾン発生方式を採用しています。
空気中の酸素分子を材料とするので、薬剤やガスの補充を必要としないエコな殺菌方法です。

エキシマランプの生成原理

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エキシマランプ
方式
放電方式
(オゾナイザー方式)
低圧水銀
(オゾンランプ)方式
NOXフリー×
無水銀×
瞬時点滅(ON/OFF)×
オゾン濃度コントロール×
低温環境×
高温環境××
動作音・発塵×
サイズ・重量×

オゾン発生量
エキシマランプから発生するオゾンの量は20mg/h以上です

オゾン循環方法
発生ユニット1台につき、およそ2.5㎥/minのブロア型内気循環方式を採用しています

オゾンが菌に作用するメカニズム

オゾンガスが菌を攻撃するメカニズムは、その強力な酸化力にあります。
オゾン(O3)は、酸素原子3つからなる不安定な分子で、この不安定さから他の物質と反応して酸化させようとする性質、つまり非常に強い酸化力を持っています。

一般細菌(大腸菌・黄色ブドウ球菌など)への作用

オゾンが一般細菌に接触すると、オゾンの酸化力により以下のようなことが起こります。

・膜タンパク質の酸化変性

・細胞内から細胞質成分の漏出▶︎死滅

・DNAの酸化的切断▶︎増殖停止

オゾンによる細菌、MRSAの構造的破壊

ウイルス(ノロウイルス・インフルエンザウイルス)への作用

ウイルスに対しても同様にオゾンの酸化力により以下のようなことが起こります。

・エンベロープや膜タンパク質の酸化変性▶︎ウイルスの無力化

・遺伝物質の酸化的切断▶︎ウイルスの増殖機能の停止

エンベロープウイルス

インフルエンザウイルス香港A型

ノンエンベロープウイルス

ノロウイルス

オゾンガスは作用後に自然分解し酸素に戻るため、残留性がありません。
薬剤のように耐性菌を作らず、薬剤耐性のある細菌に対しても除菌効果があります。
また、空間全体に拡散しながら隙間に入り込み、様々な場所に付着した細菌・ウイルスに対して効果を発揮します。

オゾンの効果

オゾンガスの強力な殺菌力で食中毒の原因となる細菌やウイルスを除菌することができます。

細菌・真菌に対する効果

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評価方法標準布(5cm×5cm)に試験菌液および試験胞子液にそれぞれ含浸し、よく絞ったものを試験とした。密閉庫内に試験布を設置し、オーク社製ピュアオー・テクノロジーにより処理した。培地上に形成されたコロニーをカウントし、生菌数を換算した。
(株式会社衛生微生物研究センター様にて実施)
供試菌黄色ブドウ球菌Staphylococcus aureus NBRC 13276
大腸菌Escherichia coli NBRC 3972
白癬菌Trichophyton mentagrophytes NBRC 32412
処理時間6時間(3,953 ppm・min)
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黄色ブドウ球菌大腸菌白癬菌
処理前
処理前
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未処理処理後
黄色ブドウ球菌
(NBRC13246)
2×106101未満
2,000,000未検出
大腸菌
(NBRC3972)
3×106101未満
3,000,000未検出
白癬菌
(NBRC32412)
5.9×105101未満
590,000未検出

ウイルスに対する効果

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評価方法標準布(10cm×10cm)にウイルス培養液1ml を無菌的に含ませ、無菌シャーレに設置(試験ウイルス)した。シャーレを密閉庫内に設置し、ピュアオー・テクノロジーにより処理した。ウイルス量はTCID50法により算出した。
(株式会社食環境衛生研究所様にて実施)
(株式会社衛生微生物研究センター様にて実施)
供試微生物インフルエンザウイルスswine influenza virus H1N1 IOWA 株
培養細胞:MDCK細胞(イヌ腎臓由来株化細胞)
ネコカリシウイルス
(ノロウイルスの代替)
feline calicivirusF9 株
培養細胞:CRFK細胞(ネコ腎臓由来株化細胞)
処理時間 時間(3,349ppm・min)

インフルエンザウイルス試験結果

※試験区3時間後の30未満は「0」で表記した。

ネコカリシウイルス試験結果

※試験区3時間後の30未満は「0」で表記した。

殺菌運転時間の目安の考え方

オゾン発生ユニットから発生したオゾンが収納物表面に付着した微生物を攻撃し消毒します。
殺菌効果の指標としてCT値を用いています。CT値とは濃度(ppm)と時間(分)の積で表されます。対象とする菌の種類や状態によってCT値は異なりますが、食中毒の原因となる主な微生物を99.9%以上死滅させるにはCT値が60以上必要とされています。
庫内の平均濃度は約0.8~1.2ppmで安定するので120分殺菌運転することで収納物表面のCT値はおおよそ60~100となります。

EF-120に長靴を16足収納した時のオゾン濃度グラフ

オゾン濃度は機体の大きさ・外気の温度や湿度、収納物の材質、量、形状、置き方などの影響により変化します。タイマーの設定で殺菌時間を増やしたり運転サイクルの頻度を増やすことでより多くのCT値を確保し、殺菌効果を得ることができます。
また、収納物の洗浄状態により殺菌効果が変化します。収納する前によく洗浄することで、より効果の高い衛生管理ができます。

収納物の耐オゾン性

オゾン殺菌はその殺菌効果が大きい反面、収納物の素材により変色やひび割れなどの劣化を招く事があります。
下記の表は素材ごとの耐オゾン性を示したものです。ご選定の際は収納物の素材をご確認ください。

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金属評価プラスチック評価ゴム評価
材質と処理ステンレス鋼(SUS304)塩化ビニールバイトン(フッ素ゴム)
チタンテフロンエチレン・プロピレンゴム
アルミニウム(アルマイト ・裸)ナイロンシリコンゴム・ウレタンゴム
クロム・ニッケルポリプロピレン天然ゴム・ニトリル・ネオプレン×
鉄・銅(裸)×FRPガラス評価
ABS・スチロール×無機

劣化メカニズム

オゾンは、ゴムやプラスチックなど有機物の二重結合を攻撃し、分子鎖を切断します。このため、材料の強度が低下しひび割れや硬化が起こります。
また、鉄はオゾンによる強力な酸化作用により表面にサビが発生しやすくなります。
オゾン殺菌をする際は乾燥機能などでよく乾かすなど注意が必要です。

「ゴム製(NBR)手袋のオゾンによる劣化の例」
※濃度1ppmにて10時間程度の曝露

「ゴム製(NBR)手袋のオゾンによる劣化の例」
※濃度1ppmにて10時間程度の曝露

オゾンの人体への影響

人体への影響と症状

殺菌運転中は庫内のオゾン濃度が平均1ppm程度になります。殺菌処理が終了してもオゾン濃度はしばらく維持しますが、扉を開けると即座に外気と混ざり合い0.1ppm以下となりますのでご安心ください。
また、殺菌運転中も本体の隙間や通気口から漏れ出たオゾンガスが存在しますが機体周囲の濃度は0.05ppm以下となります。

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0.005ppm空気中に存在する
0.01~0.05ppm臭気 (生臭さ) を感じる
人体影響なし
0.1ppm明らかな臭気を感じる
一日8時間の労働がゆるされる (米国安全衛生局)
0.2~0.5ppm鼻、喉に刺激を感じる
3~6時間ので視覚低下
1~2ppm2時間の曝露で頭痛・胸部痛・鼻、喉の渇きと咳がおこり
曝露を繰り返せば慢性中毒にかかる
5~10ppm脈拍増加・体痛・麻痺症状が現れ、曝露が続けば肺水腫を招く

オゾンの安全基準

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基準準拠
労働環境許容濃度
0.2mg/m3(0.1ppm)
1日8時間週40時間程度の労働時間中に肉体的に激しくない労働に従事する場合の曝露程度の算術平均
許容濃度等の勧告(1985)
日本産業衛生学会
室内環境基準最高濃度 0.1ppm
平均濃度 0.05ppm
(社)日本空気清浄協会(1967)
アメリカ合衆国 医薬品局(FDA)0.05ppm(24時間)室内環境基準
排オゾン処理設備大気中への排出
0.4ppm未満
JIS B 9946:2019
大気汚染1時間値0.06ppm以下
(光化学オキシダント)
大気の汚染に係る環境基準
1時間値0.12ppm未満
(オキシダント)
大気汚染防止法

オゾン殺菌庫 製品情報